「腰痛」に潜む危険な症状の特徴とは〜内臓・血管由来の腰痛も〜

腰痛

腰痛は現代人の約8割が経験するといわれていますが、痛みは慢性化すると日常生活や仕事に支障をきたします。慢性痛(治療に要すると期待される期間を過ぎても続く痛み)の保因者は我が国には2300万人おり、そのうち半数以上(55.7%)が腰痛であるという報告があります。(「日本における慢性疼痛保有者の実態調査」Pain in Japan 2010)

自覚症状の訴えをランキングすると、腰痛は男性で第1位、女性は第2位にランキングされます(厚生労働省HP)

重い物を前屈位で持ち上げてぎっくり腰になるというエピソードは典型的ですが、靴下を履く時や歯磨きをしただけで腰痛を認める場合もあります。特に何もしていないのに急に痛みが出現することもあります。これは普段の腰への疲労が蓄積していたためと考えられます。

腰痛の原因は日常生活の動作や毎日行う仕事内容に起因することが多いのです。

しかし中には危険な疾患が潜んでいることもあります。
今回は危険な腰痛を見逃さないために、危険な腰痛の特徴的な症状(Red flagsとも呼ばれます)と、そこに潜んだ疾患をご紹介します。

危険な腰痛を疑う症状の特徴

20歳未満 or 50歳以上の腰痛
体重減少がある
栄養不良状態である
全身倦怠感を伴う
安静時痛や夜間痛がある
鎮痛薬の効果が乏しい
6週間以上続く
過去に悪性腫瘍やHIVに罹患
ステロイド剤の使用歴がある

当てはまったからといって必ず危険な腰痛であるとは限りませんが、すぐに医療機関を受診して下さい。

次に危険な腰痛を引き起こす疾患を整形外科疾患内臓・血管系由来の疾患に分けて列挙します。

整形外科関連疾患
・骨粗鬆症による脊椎椎体骨折
・悪性腫瘍の転移
・感染による化膿性脊椎炎
・腰椎分離症(疲労骨折)

内臓・血管系由来
腎結石、尿路結石、腎盂腎炎
・解離性大動脈瘤、腹部大動脈瘤

腰痛はそのほとんどが筋・骨格系に由来するものですが、そうでない可能性もあります。まずは医療機関にて腰痛の原因を確認してから治療にあたる必要があります。そして医療機関を受診しても1回の診察だけで原因が分かるとは限りません。常に危険なサインを念頭に入れた上で十分に痛みの状態を経過観察しながら治療を進めていくことが大切です。

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