生命に “老化” や “死” という概念をもたらしたミトコンドリア

mitochondria

“およそ8億年”
地球が生まれてから最初の生命(単細胞生物というたった一つだけの細胞)が誕生するまでの期間です。

“およそ15億年”
単細胞生物多細胞生物となるまでの期間です。

生命が誕生する確率は「25mプールの中で、ばらばらに分解された腕時計が水流で元の時計に戻りまた動き出す確率」と比喩されることがありますが、時間的な視点に立てば生命が誕生するまでの時間よりも単細胞生物が多細胞生物になる時間の方がより長くかかっています

さて我々も含め動植物は全て多細胞生物ですが、古代の地球において単細胞生物が多細胞になる際に行った重要なことがあります。それはミトコンドリアという生命活動に必要なエネルギー源を細胞内に取り入れたことです。これはその後の生物の爆発的な進化をもたらしました。

私達の身体の臓器は、このミトコンドリアが作り出すエネルギーを用いて動いています。ミトコンドリは独自のミトコンドリアDNA(mit DNA) を持ち、加齢や何らかの病気によりmit DNAに変異が蓄積してしまうとミトコンドリアの機能が低下し、生命活動を維持するためのエネルギー不足に陥ります。そして最終的には個体としての老化(加齢とは異なり病的な意味を持つ)にまで関与することがわかっています。

エネルギー源となる一方、老化の促進因子でもあるミトコンドリア。
ミトコンドリアを獲得することで、生命は「老化」や「死」という概念も受け取ったのです。
これが我々が 老化や死という宿命ともいうべき機構を背負っている理由です。

さてその機構が解明されれば、ミトコンドリアの機能低下によって引き起こされる疾患の予防につながり、老化(病的な意味)の予防にもなり得ます。
ではミトコンドリアの機能を低下させないためには何をすれば良いのでしょうか。
その詳細は後日の記事でお話ししたいと思いますが、テロメア活性酸素慢性炎症といったワードが関与していそうです。運動によって筋肉から分泌される PGC-1α は慢性炎症を抑制し老化を防ぐ作用があり“super-healthyの秘薬” とも呼ばれるそうです。無理な運動は良くありませんが、少しでも筋肉を動かしていくことが大切です。

ではまた記事でお会いしましょう(^。^)

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